古代ギリシャ銀貨、4ドラクマを追う

投稿日: カテゴリー: オリジナルコイン・記念メダル, 歴史・文化・職人

古代ギリシャ銀貨、ドラクマを追う

現在、ギリシャで使用されている1ユーロのデザインを見たことがある人は多いでしょうか。
デザインの原型は、ギリシャ銀貨のテトラドラクマ銀貨です。

テトラドラクマ銀貨は紀元前449年〜413年くらいの約30年間、アテネで発行されていました。
実は、このテトラドラクマ銀貨はコレクターの間で、とても人気のあるコインなのだとか。

古代ドラクマ

 

実際にコインを見ると、なるほど、納得。

ドラクマ銀貨の人気の秘訣が理解できるような気がします。

コインの表面にはギリシャ人の横顔、裏面には大きな目が印象的なフクロウの彫刻が施されています。
特に、フクロウのまん丸の目とぽってりとふくらみを持たせたボディは魅力的で、一度見たら忘れられないデザインです。
今回は、見る者を惹きつけてやまないコイン、アテネのテトラドラクマの謎に迫っていきます。

 

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■テトラドラクマの意味と使われた時代とは?

テトラドラクマのテトラとは、ギリシャ語でを意味します。ドラクマはお金の単位です。

つまり、テトラドラクマは4ドラクマとなります。紀元前5世紀以降、アテネで広く使用されていました。

当時のアテネは、都市国家として栄えており、市民団体であるポリスを中心に経済、文化ともに発展していきました。
アテネの三大悲劇作家の一人、ソフォクレスの『オイディプス王』に描かれる人間の心理描写は見事です。

人間の心理や運命をテーマにしたこの作品に、当時のアテネの人々の意識の高さを感じます。
経済の安定とともに、文化も成熟していた証ではないでしょうか。

現代でもその魅力を放ち続ける、テトラドラクマ。
優れたデザインと確かな職人技術の賜物でしょう。

テトラドラクマ銀貨は、文化と芸術を愛するアテネ市民の豊かな社会が生んだ「芸術品」であると思います。

 

■デザインが意味するものとは?

テトラドラクマ銀貨

テトラドラクマ銀貨の表面に彫られているデザインは、かぶとをかぶったアテナ女神の胸像です。
アテナ女神は、古代ギリシャの都市国家アテネの守護神です。

古代ギリシャ語のAthenaアテーナーは、ギリシャ神話に登場します。
知恵・芸術・工芸・戦略をつかさどる女神で、アルテミス、ヘスティアーと並ぶ三大処女神としてもよく知られています。

コインの裏面のデザインは、フクロウとオリーブ、そしてAOEという文字です。ギリシャ神話に登場するオリーブは平和の象徴とされています。

かつて、アテナ女神はアテネの守護神の座をめぐって、海神ポセイドンと対立していました。

「最も人々に役に立つ贈り物を贈った者に支配権を与えよう。」と言う大神ゼウス。女神はオリーブを作り出して支配権を得ることができたのです。

フクロウは女神の象徴です。アテナ女神は、神殿に自分の聖なる動物としてフクロウを持っていたといいます。

AOEの文字については、女神アテネを意味している言葉と考えられています。
近代から現代にかけてギリシャは、何度も、コインのデザインにドラクマのフクロウを採用しています。

ギリシャコインと言えば、ドラクマということでしょうか。
ドラクマに対する思い入れの強さを感じます。

 

■テトラドラクマの素材、エレクトロンとは?

テトラドラクマは、エレクトロンとよばれる天然の金銀合金でつくられていました。
エレクトロンはギリシャ語で琥珀を意味します。

テトラドラクマに代表されるエレクトロン貨は、バクトーロス川の河底から得られた砂金に打刻してつくられます。
エレクトロン貨は、紀元前7世紀の終わりくらいに発明されたといわれています。

その後、リディア(現在のトルコ)王により紀元前600年くらいに品質が安定し、ギリシャやローマへと広まっていきました。

ちなみに、東アジアでは溶かして作る鋳造貨幣が中心であったのに対して、ヨーロッパではたたいて作る打刻貨幣が中心でした。

エレクトロンを作り出す技術や、デザインの高度さとデザインの持つ意味の深さ、どれをとっても見事としかいいようがありません。

これらすべてが、紀元前に行われていたのですから驚きです。
美しい貨幣に見惚れながら、古代ギリシャの時代に思いを馳せてみるのもいいものです。

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